新規事業のアイデアの出し方!新しい発想を生み出す方法

「新規事業の立ち上げを任されたけれど、アイデアってどうやって出すの……?」
そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

優れたアイデアで事業を成功させた事例を知ると、「どうしてそんなアイデアを思いつくことができるの?」と思うことがしばしばあります。なんとなく考えて急にひらめいた!なんてことは漫画の世界です。「事業として成立するアイデア」を出すには、発想方法があるんです。

今回は、アイデアの出し方やフレームワークを紹介し、アウトプットの量を最大化しつつ質も高めるための考え方についてご紹介したいと思います。

新規事業でアイデアを出すために知っておきたいこと

前提として新規事業の成功率は低いことを知っておく必要があります。新規事業とはそもそも失敗のリスクと常に隣り合わせなものなのです。
では、「新規事業において本当に“価値”のあるアイデアとは何なのか」。その基準をまず確認しておきましょう。

新規性(新しく独創的なアイデアか)

まずひとつの基準となるのが、そのアイデアの新規性です。
新規事業といっても、多くの場合は世の中に類似商品・サービスが存在しているはずです。だからこそ、独創的な要素を加えた新規性の高いアイデアに価値があるといえます。なぜなら既存の商品やサービスとの差別化要素が少ない場合、レッドオーシャン(飽和状態)の市場に巻き込まれる可能性もあります。もちろん、営業力や価格勝負で勝てるという算段がつけば競争が激しい市場で勝負に出ることもあるでしょうが、その場合企業規模が大きい競合が参入してきたら一気に差をつけられるリスクもあります。そのため、競合他社のいない、あるいは少ない市場で戦える新規性のある(すぐには真似できない独創的な)事業アイデアは貴重なのです。

解決性(顧客の悩みを解消できるか)

続いては、顧客の悩みを解決できるかどうかです。
世の中には、多くの「不」(不満、不安、不便……)が溢れています。こうした「不」を解消できるアイデアこそ、欲しがられるアイデア=成功につながりやすいアイデアです。事実、失敗した事業の多くが「目新しく、革新的な商品やサービス」という触れ込みでスタートし、実は「誰も欲しがっていなかった(No one needs)」という状態に陥っています。

収益性(安定して利益を得られるか)

新規事業を育てていくうえで肝心なのが、マネタイズできるかどうかです。
「誰かのために役立っている」という社会性も大切ですが、それだけでは事業が立ちゆかなくなってしまいます。新規事業のアイデアを出す際は、必ず「安定してお金を得られる仕組み」もセットで考えましょう。

革新的なアイデアを出すためのマインドセット

これまでの常識や固定観念にとらわれていると、よいアイデアは思いつきにくいといわれます。普段の仕事モードの頭をリセットするくらいの気持ちで取り組むくらいがよいかもしれません。しかし、そもそもの目的を忘れないよう、一般的には以下の2つのことを念頭にマインドセットを行うことが推奨されています。

1.成功した未来を想像してみる
あなたが創出しようとしている新規事業は、どのようにマーケットに受け入れられ、どのような成長曲線を描くでしょうか。また、その新規事業によって、社会や顧客、あなたの企業はどのように変化することが理想でしょうか。理想の未来像をチーム内で共有することで、ベクトルを合わせて事業開発に取り組むことができます。

2.事業の目的を確認する
なぜいま、新規事業の創出に取り組もうとしているのか。新規事業開発担当者に任命されたのであれば、その意図するところは何か。「本業の競争激化によるリスク分散」なのか「保有技術の転用」なのか「異業種への参入」なのか。最初に目的をおさえておくことが大切だといわれており、アイデア出しの焦点を絞りやすくなります。

 

新規事業のアイデアを出すための4つのフレームワーク

新規事業を開発するうえで、ゼロから作り上げるとき、何から考えたらいいのかわかりません。そこで4つのフレームワークを紹介します。

1.MVV分析

MVV分析とは(ミッション、ビジョン、バリュー)の略であり、組織が社会において存在する意義や役割を定義し、メンバーで共有するためのフレームワークです。

①アイディア⇨②構築⇨③サービス化(改良・修正)⇨④分析⇨①…

のプロセスの①アイディアで明確にしておくと、チームが方向性に迷わずに済むでしょう。

MVV分析は企業やプロジェクトの存在価値や方向性を定めます。新規事業を起こしたり、会社を新しく作るときにはMVVは非常に大切になってきます。

・ミッション(使命)とは果たさなければならない役割、社会に提供する価値、存在する意義を表したものです。

・ビジョン(将来像)とは、将来のあるべき姿や中長期的に目指す目標像を、その会社に関わる誰もがイメージが湧くように表現したものです。

・そして、何を大切にしてミッションやビジョンを実現するのか、行動指針や姿勢を表したものがバリュー(価値)です。

ミッションがWhy、ビジョンがWhat、バリューがHowにあたります。

2.3C分析

Customer:市場・顧客

Competitor:競合

Company:自社

の頭文字をとった3C分析は、ビジネスを行っていくにあたり市場の関係性を理解するためによく使われるフレームワークです。

 

①アイディア⇨②構築⇨③サービス化(改良・修正)⇨④分析⇨①…

のプロセス全体で活用できますが、特に①アイディアで市場と自社の関係を明確にしておくことで、事業の進行方向が見えてきます。

①アイディアで社内のリソースから考える際は、経営資源や企業活動について、定性的・定量的に把握する必要があります。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源についてです。また、ある分野の市場をリサーチする際は、市場規模(潜在顧客の数、地域構成など)や市場の成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者などを把握した上で、コストを考えてい必要があります。

③サービス化(改良・修正)で成長期(利益が上がり競合が出てくる)、成熟期(売上が鈍化し競争が激しくなる)を迎える際は、競争状況や競争相手についてあらかじめ把握しておくことが効果的です。具体的には、寡占度(競合の数)、参入障壁、競合の戦略、経営資源や構造上の強みと弱み(営業人員数、生産能力など)、競合のパフォーマンス(売上高、市場シェア、利益、顧客数など)について把握しておくと良いでしょう。

3.VRIO分析

VRIOは、

経済価値(Value)

希少性(Rarity)

模倣困難性(Inimitability)

組織(Organization)

の略であり、VRIO分析は3C分析の中のCompany:自社にあたり、自社を深掘り、経営資源にフォーカスした分析手法で市場機会(他社にはない、自社ならではの強み)を見つけるための分析でもあります。

分析対象は「業界」ではなく「個別企業」となっています。

①アイディアで必要になってくる企業内部に存在する経営資源が保有する強みの質や競争優位性を明確になります。これによって②構築がしやすくなり競争優位性の維持や強化を実現でき、③サービス化(改良・修正)では、顧客満足度の上昇などの効果を得ることができます。またこれらを整理することによって④分析での投資・撤退判断がしやすくなります。

4.SWOT分析

SWOT分析とは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字から命名されたフレームワークです。

3C分析と同様に、①アイディア⇨②構築⇨③サービス化(改良・修正)⇨④分析⇨①…のプロセス全体で活用できますが、①アイディアで明確にしておくことで、自社にとっての、事前に市場機会や事業課題を発見することが可能です。

 

まとめ

これら4つのフレームワークには各々メリットとデメリットがあり、利用する際にはそれらの特徴と利用する者との相性を考えて利用することが重要です。必要に応じて、1つのフレームワークだけに頼らず、複数を使ってみるといいかもしれません。

もちろんフレームワークを使えば全てうまくいくわけではありません。うまくいかないときなどはピボット(方向転換)を決断することも必要です。

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