【2022年まで】業態転換支援事業の助成金を受け取るには?助成対象からスケジュールなどを紹介

新型コロナウィルス感染症の影響で、飲食店は大きな打撃を受けています。

東京都では都内で飲食店を営み、新たなサービスを展開する店舗を対象として「業態転換支援事業」という助成金制度が作られました。

今回は「業態転換支援事業」の概要や条件、対象となる店舗について詳しく解説していきます。

今後の業務形態に悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

業態転換支援事業とは

画像出典:公益財団法人東京都中小企業振興公社

「業態転換支援事業」とは、新型コロナウィルス感染症の影響により大幅な売り上げ減少で苦しむ飲食店を対象に「1.テイクアウト」「2.デリバリー」「3.移動販売」のいずれかを新たに始めるための支援を行う事業です。

公益財団法人東京都中小企業振興公社が都内の飲食店舗を対象に行っており、助成限度額は100万円、持続化給付金を受け取っている店舗も対象となっています。

コロナ禍の影響で廃業してしまう店舗が増えている中、デリバリーやテイクアウトなど、自宅で食を楽しめるサービスは需要が高まっています。

販売促進や車両の用意、設備を整えるための費用を助成してくれるものなので、業績悪化によって困っている飲食業の方は検討してみましょう。

申請できる条件・対象について

助成金の申請は面倒なイメージがあるかもしれませんが、「業態転換支援事業」の申請は郵送で行いますので施設に足を運ぶ必要はありません。

アフターコロナまでを見据えて需要の高いサービスを展開することで、店舗存続の危機を免れる可能性があります。

以下、助成金を申請できる条件や対象となる店舗などについて詳しくまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

受付期間

申請期限は現在延長されており、最終回である第20回は「令和3年10月31日(日)消印有効」が期限となっています。

10月31日の消印有効で提出をしても、不備があると受付とはならないので注意が必要です。余裕をもって書類の準備を行いましょう。

助成期間は交付が決定してから令和3年12月31日(金)までの間で最長3か月間。その期間の中で支払いまで完了する費用が対象となります。

限度額は100万円で、限度額に達した時点で助成金の支払いは終了です。

助成金支払いまでの流れは以下になります。

  1. 申請書を郵送で提出し、順次交付が決定
  2. 「1.テイクアウト」「2.デリバリー」「3.移動販売」の導入に伴う経費発生
  3. 支払い完了後、速やかに実績報告書を提出
  4. 検査
  5. 検査から2~3週間程度で助成金金額が確定
  6. 助成金の請求
  7. 請求書の到着から2~3週間後に助成金が支払われる

書類に不備がなければ、1か月半~2か月以内には助成金の支払いまで進めることができそうですね。

対象者

助成の対象となるのは都内で飲食店を営む個人事業主も含んだ中小企業です。

・東京都内に所在があること ・飲食店として営業許可書をとっていること ・新たなサービスに関わる経費であること

これらを書類で証明する必要があります。

  • 法人の場合
  1. 登記簿謄本によって都内に本店や支店があることが確認可能
  2. 都税事務所発行の「法人事業税及び法人都民税の納税証明書」を提出できる

営業期間が1年に満たない法人は、代表者の直近の「所得税納税証明書」及び「住民税納税証明書」を提出できることが条件となります。

  • 個人事業主の場合
  1. 都内の税務署へ提出した「個人事業の開業・廃業等届出書」により、都内での所在が確認可能
  2. 都税事務所発行の「個人事業税の納税証明書」及び都内区市町村発行の「住民税納税証明書」が提出できる

個人事業主も、営業期間が1年に満たない場合は代表者の直近の「所得税納税証明書」及び「住民税納税証明書」を提出できることが条件です。

上記のほかにも下記ホームページで「都内で営む飲食店」の定義が詳しく明記されていますが、都内で正しく飲食店を開業していれば特に問題はないようです。

詳細は公益財団法人東京都中小企業振興公社ホームページ内にある「募集要項(PDF)」をご覧ください。

公益財団法人東京都中小企業振興公社ホームページ

助成対象経費

助成の対象となる経費は以下の項目で、それぞれに限度額が設定されています。 「限度額100万円」は各項目にある限度額の合計金額です。

  • 販売促進費
印刷物制作費 限度額20万円
PR映像制作費 限度額20万円
WEB制作委託費 限度額50万円
広告掲載費 限度額20万円
看板等の製作費 限度額20万円
  • 車両費
宅配に使用するバイクや 自動車のリース料 最長3か月
バイクや自動車の購入費 限度額20万円/リースの場合最長3か月
  • 器具備品費
通信環境設備導入費(Wi-Fiなど) 限度額10万円/リースの場合最長3か月

タブレット端末などの購入費 (カード読み取り機なども含む)

限度額10万円/リースの場合最長3か月
梱包や梱包資材の購入費 限度額15万円
  • その他
宅配代行サービスの利用料 最長3か月
移動販売を始める際に必要な許可取得手数料 手数料分
店舗内装などの工事費 限度額50万円

 

上記の項目に当てはまる費用が助成金の対象となり、「テイクアウト」「デリバリー」「移動販売」に関わる経費であることが重要です。

例えば店舗内装の工事費についても、テイクアウト販売を始めるにあたって必要なショーウィンドーや小窓の設置費用などであればよいということになります。

申請方法について

業務転換支援事業の申請は「郵送」で行います。申請書と各必要書類を揃え、公益財団法人東京都中小企業振興公社へ送りましょう。

公益財団法人東京都中小企業振興公社のホームページによると、書類はA4用紙に片面で出力しホッチキス止めをせずに提出することとなっています。

  • 必要となる書類
  1. 交付申請書の原本(様式第1号)
  2. 登記簿謄本
  3. 納税証明書の原本
  4. 直近1年分の確定申告の写し
  5. 食品関係の営業許可書の写し
  6. 申請金額の根拠となる資料の写し

申請書及び各必要書類はすべてコピーし必ず自社で保管をしておきましょう。

コロナにおけるその他の助成金

飲食店のみならず、法人や個人事業主を対象とした助成金はほかにもあります。

  • 月次支援金(法人、個人事業主向け)

令和3年4月以降のまん延防止や緊急事態宣言に伴い、飲食店の休業や時短営業などの影響で売り上げが減少している中小企業が対象です。

法人は月20万円、個人事業主は月10万円を上限として助成金を受け取ることができます。

月次支援金のホームページはこちら

  • 事業再構築補助金(法人、個人事業主向け)

コロナ禍の経済状況に対応するために新たな分野の展開や業態転換に挑戦し事業の再構築を試みる中小企業を支援する助成金です。

補助率 中小企業:2/3(6000万円超の場合は1/2) 中堅企業:1/2(4000万円超の場合は1/3)

補助金額は100万円以上、8,000万円以下となります。

中小企業と中堅企業の違いは以下を目安とするとよいでしょう。 中小企業:資本金1,000万円以上、1億円未満 中堅企業:資本金1億円以上、10億円未満

事業再構築補助金のホームページはこちら

また、以下の記事では事業再構築補助金について分かりやすくまとめています。ご興味のある方はご覧になってみてください。

業態転換による補助金を受け取れることをご存知ですか?申請受付期間・対象期間の延長でまだ間に合う!

その他にも事業主のテレワーク導入に伴った助成金制度があり、2021年8月時点では申請を受け付けている状態です。

テレワークに関する助成金については以下の記事で詳しくまとめています。

【2021年度7月最新版】テレワーク向けの補助金・助成金や支援についてのまとめ

まとめ

今回は東京都内で営む飲食店を対象とした「業務転換支援事業」について解説しました。

幅広い業界でコロナ禍の打撃を受けている中、再構築に向けて立ち向かう企業を支援する制度が少しずつ充実してきています。

影響を受けている事業もそうでない事業も、この先の経済を見据えて助成金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。