ネットショップ成功事例10選|稼いでいるショップの戦略とは?

本記事では、実際に売上や集客を大幅に伸ばした10社の事例を【業界・施策・成果】の観点で掘り下げ、それぞれに共通する成功のポイントを解説します。
自社ECの改善や新規立ち上げを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
ネットショップの開業についてのガイドもご紹介しています。こちらもご参考にして頂けたらと思います。
1. 〖アパレル〗イタルスタイルウェア:アクセス数約2倍に成長

イタルスタイルウェアは、自社サイトのUI/UXを全面的に見直し、トップページのビジュアル訴求を強化したアパレルブランドです。
ユーザーの目線を想定した導線設計に加え、商品のシーズンコレクションをスライドショーで動的に表示することで、サイト訪問者の滞在時間を大幅にアップ。さらに、商品詳細ページではモデル着用画像の枚数を従来の3枚から8枚に増やし、顧客が「自分が身につけた姿」をイメージしやすく設計しました。その結果、リニューアル前の平均ページ滞在時間が1分30秒から3分10秒に伸長し、ページビュー数(PV)は約2倍、CVR(コンバージョン率)も1.2%から2.8%へ向上。アクセス数の増加に伴い売上も右肩上がりとなりました。
【会社概要】
• 設立:2012年
• 所在地:東京都渋谷区
• 事業内容:イタリア直輸入のメンズ・レディースアパレルの企画・販売。エレガントかつカジュアルなコレクションを中心に、自社ECサイトおよびセレクトショップで展開。
• 社員数:25名(EC運営部署:8名)
• 特徴:シーズンごとにコレクションを打ち出し、モデル撮影によるビジュアル訴求とUI/UX改善に強み。
2. 〖アパレル〗株式会社クー:越境EC対策で売上1.5倍に

株式会社クーは、国内アパレルECを軸に展開していたものを、英語・中国語サイトを追加する形で越境ECに本格参入しました。翻訳のプロを起用して商品説明を各国消費者の購買心理に合わせてローカライズ。また、決済手段もクレジットカードに加えAlipayやWeChat Payを導入し、購入ハードルを大幅に低減。さらに、SNS広告を各市場ごとに最適化し、Facebook/Instagramのターゲティング広告で「20~30代ファッション感度の高いユーザー」を効率的に獲得しました。
その結果、越境EC導入前と比較してグローバルサイトの売上が1.5倍に拡大。特に中国市場での成長が著しく、全体売上の20%を越境が占めるまでに成長しました。
【会社概要】
• 設立:2008年
• 所在地:大阪府大阪市
• 事業内容:レディースファッションブランドの製造・卸売および国内外EC運営。日本国内で人気のトレンド商品を多言語サイトで越境販売。
• 社員数:50名(EC・マーケティング部門:15名)
• 特徴:ローカライズに強いグローバルEC運営、Alipay/WeChat Pay連携やSNSターゲティング広告で中国・欧米市場を攻略。
3. 〖美容・コスメ〗アンブリオリス・ジャパン株式会社:3カ月でCVR7%を達成

アンブリオリス・ジャパンは、高級スキンケアブランドのECサイトで、期間限定キャンペーンを活用した顧客体験の最大化を図りました。まず、初回購入者向けに「初回限定トライアルセット」を用意し、LP(ランディングページ)にA/Bテストを実施。ヘッダーのキャッチコピーやCTA(Call To Action)ボタンの文言・色彩を複数パターン試し、最も反応が良いバージョンを採用しました。さらに、購入後24時間以内にフォローアップメールを自動送信し、使用感のヒアリングと次回購入のクーポンを配布。
これらの施策により、LPのCVRが導入前の3.5%から7%へと倍増し、3カ月で売上も約1.8倍に成長しました。ブランドロイヤルティ強化とリピーター促進を同時に実現した好例です。
【会社概要】
• 設立:1995年(日本法人)
• 所在地:東京都中央区
• 事業内容:スイス発スキンケアブランド「アンブリオリス」の輸入販売および国内EC・百貨店展開。高級化粧品市場でのポジショニングを築く。
• 社員数:30名(ECチーム:5名)
• 特徴:高付加価値トライアルセットのLP最適化とメールフォロー施策により、短期間でCVRを大幅改善。
4. 〖食品〗有限会社ひよこカンパニー:5年で売上10倍に成長

有限会社ひよこカンパニーは、地方の小規模食品メーカーが自社ECを立ち上げ、5年で売上を10倍に伸ばした事例です。
初期は大手ECモールへの出店をメインにしていましたが、手数料負担の大きさから自社ECへリプレイス。WordPress+WooCommerceを採用し、サイト構築コストを抑えつつ自由度を確保しました。併せて、季節限定商品や地方産品の魅力を伝えるコンテンツマーケティングを強化。
SNS運用チームを社内に設置し、Instagram・Twitterで生産者インタビュー動画やレシピ動画を投稿し続けたことで、フォロワー数は1万人超。SEOによるオーガニック検索流入も安定し、サイト全体の訪問者数が年平均30%成長。結果として5年間で売上は10倍に達しました。
【会社概要】
• 設立:2010年
• 所在地:高知県高知市
• 事業内容:地元産の無添加食品(味噌、醤油、ジャム等)の製造・販売。自社通販サイト、直営店舗、ECモールで展開。
• 社員数:12名(製造:5名、EC運営:3名)
• 特徴:WordPress+WooCommerceによる低コストEC構築と、コンテンツ/SNSマーケティングで地域ブランドを全国に拡大。
5. 〖BtoC雑貨〗古川紙工株式会社:ライブコマースでCVR10%超え

古川紙工は、和紙製品を扱う老舗メーカーがネットショップを拡張し、ライブコマースを導入したことでCVR(コンバージョン率)を10%超に引き上げた事例です。
専門知識を持つ社員が週1回のライブ配信を担当し、新作商品の使い方デモや質問コーナーを実施。視聴者はリアルタイムで疑問を解消できるため、「こちらの商品は何に使えますか?」といった問い合わせをライブ中に受け付け、その場で購入リンクをチャットに貼ることで即時購買を誘導。また、限定クーポンや非売品サンプルをライブ視聴者に配布し、参加メリットを訴求。
その結果、ライブコマースの放送ごとにCVRは平均10.3%、放送参加者のうち約6割が購入に至る成果を記録しました。
【会社概要】
• 設立:1954年
• 所在地:京都府京都市
• 事業内容:和紙製品(便箋、封筒、和紙アクセサリー等)の製造・卸・販売。伝統技術とモダンデザインを融合。
• 社員数:40名(製造:25名、EC・マーケ:4名)
• 特徴:週1回のライブコマースで製品の魅力をライブデモ。視聴者参加型の販売でCVR10%超を実現。
6. 〖D2C雑貨〗株式会社イデアポート:ECリプレイスで単月売上最高額を更新

イデアポートは、従来は自社開発の古いECプラットフォームを利用していましたが、サイト速度の遅延やスマホ最適化不足が顧客離脱を招いていました。
そこでShopifyへの全面移行を実施。テーマの選定からアプリ連携(レビュー、メールマガジン自動配信、定期購入機能)までを一貫して外部パートナーと進行し、3カ月で新サイトをローンチ。
リニューアル後はページ読み込み速度がPC90点/スマホ85点(PageSpeed Insights)に改善し、スマホユーザーの離脱率が25%低減。加えて定期購入プランを導入したことで、単月のリピート注文数が従来比1.8倍に増加し、結果としてリリース翌月に単月売上の過去最高額を更新しました。
【会社概要】
• 設立:2005年
• 所在地:東京都港区
• 事業内容:オリジナル雑貨・ギフト商品の企画・販売。自社EC、BtoB受注、定期購入サービスを提供。
• 社員数:60名(EC開発チーム:10名)
• 特徴:Shopifyへの全面リプレイスによるサイト高速化と定期購入機能導入で、リピート売上を大幅拡大。
7. 〖農業〗株式会社早和果樹園:自社ECの売上1.4倍に成長

早和果樹園は、みかんなど果樹の直販を行う農家が、自社ECサイトに「サブスクリプション定期便」を導入し、売上を1.4倍に成長させた事例です。
導入前は一般的な単発購入のみでしたが、年間を通じて収穫時期が限定される商品の特性を活かし、「毎月その時期の新鮮果実をお届けする定期便プラン」を開始。定期便限定の品種や量を設定して希少性を演出し、初回解約率を通常のECの10%未満に抑制。さらに、定期便加入者限定のレシピ動画や収穫体験ツアーの優先案内など、会員限定コンテンツを拡充したことで、LTV(顧客生涯価値)が大幅に向上し、自社EC全体の売上が1.4倍に伸びました。
【会社概要】
• 設立:1988年
• 所在地:和歌山県田辺市
• 事業内容:みかんをはじめとする柑橘類の生産・直販。全国配送の自社ECおよび産直通販を運営。
• 社員数:20名(農作業:12名、EC運営:3名)
• 特徴:定期便サブスクリプションの導入でLTVを向上。会員限定コンテンツで解約率を抑制。
8. 〖BtoB〗有限会社谷治新太郎商店:取引先口座数が8倍以上に増加

有限会社谷治新太郎商店は、墓石の背後に立てる木製札「卒塔婆」を製造する老舗企業です。長年にわたり卒塔婆の消費量は減少傾向が続き、売上高も年を追うごとにゆるやかに下がっていました。
こうした状況を打開するために同社は、これまで大量注文が前提だった卒塔婆を1本単位で発注できるBtoB向けECサイトを新たに立ち上げました。業界の常識を覆すこの仕組みにより、従来取りこぼしていた小規模事業者や寺院の声にも応えられるようになり、結果として取引先の登録口座数は従来比で8倍以上に拡大。販路多様化と顧客層の拡充を実現し、着実な成長を遂げています。
【会社概要】
• 設立:1972年
• 所在地:愛知県名古屋市
• 事業内容:
高品質な卒塔婆・墓標の製造を手がける老舗企業。
• 社員数:35名(営業:10名、EC運営:4名)
• 特徴:登録企業数を8倍以上に拡大。BtoB向けUI設計が高評価。
9. 〖BtoB〗株式会社ウチイケ:ROAS900%を達成

ウチイケは、建築資材を扱うBtoB向けECで、初期投資を抑えつつデジタル広告で成果を上げた事例です。
Facebook広告やGoogle 広告を最低限の月額予算から開始し、CTAは「無料サンプル請求」に特化。LP(ランディングページ)もサンプル請求フォームだけを残したシンプル構成に変更しました。同時にリターゲティング広告を組み合わせ、過去訪問ユーザーへの広告配信を強化。
これらの施策で平均クリック単価を30%下げ、広告経由のサンプル請求数は従来比2.5倍に増加。さらに、サンプル請求から発注転換率を15%確保したことで、広告費1円あたりの売上(ROAS)は900%を達成しました。
【会社概要】
• 設立:2015年
• 所在地:東京都千代田区
• 事業内容:建築資材・工具のオンライン販売。レンガ・タイル・コーキング材などを法人・個人事業主向けに提供。
• 社員数:15名(EC・広告運用:5名)
• 特徴:サンプル請求特化の広告運用でROAS900%を達成。最小予算で高効率広告運用を実現。
10. 〖ウエディング雑貨〗株式会社ファルベ:ECリニューアルで前年同月比130%にV字回復

ファルベは、ウエディング向け雑貨を販売するECサイトで、一時的に売上が半減した後のV字回復を遂げた成功事例です。
原因分析として、旧サイトのナビゲーションが煩雑で、ユーザーが目的の商品ページまでたどり着けない課題を特定。そこでブランドイメージに合わせたデザイン刷新と、スマホファーストのUI最適化を同時に実施。特に、結婚準備中のカップルが「必要なアイテムをすぐに見つけられる」よう、カテゴリーとタグによるフィルタリング機能を強化。リ
ニューアル後の週次データでは直帰率が45%→28%に低減し、セッションあたりの平均ページ閲覧数は2.1→3.8に向上。これらが奏功し、リニューアル翌月には前年同月比130%の売上を達成しました。
【会社概要】
• 設立:2003年
• 所在地:神奈川県横浜市
• 事業内容:ウエディング・結婚式向けの装飾雑貨・ギフト用品の企画販売。自社ECと式場納入を両軸で展開。
• 社員数:28名(EC運営:6名、商品企画:4名)
• 特徴:スマホファーストのUI刷新で直帰率を大幅改善。V字回復のリニューアル成功事例として注目。
成功の共通点上記10事例を分析すると、以下の共通点が浮かび上がります。
1.顧客視点のUX/UI最適化 サイト構造やデザインをユーザー心理に合わせて改修し、離脱率を大幅に低減。
2.データドリブンのPDCAサイクル A/Bテストやアクセス解析を実施し、施策効果を定量的に把握して改善を繰り返す。
3.専門性+差別化ポイントの明確化 限定商品や独自コンテンツ(レシピ動画、モデル着用画像、サンプル請求)で競合との差別化を実現。
4.複数チャネルの横断活用 自社EC、モール、SNS、メールマガジン、広告を組み合わせて、認知拡大から購買までをシームレスに誘導。
5.リピート促進施策の徹底 定期購入、会員限定コンテンツ、フォローアップメールなどでLTV(顧客生涯価値)を最大化。
これらのポイントを自社EC運営に取り入れることで、売上成長の再現性が高まります。まずは、自社サイトの課題を「ユーザー視点」で洗い出し、小さな改善から実行してみてください。 継続的なPDCAと顧客体験の向上が、ネットショップ成功への最短ルートです。
コメント